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知らずに毎日使っているかも!? 身近にある有害なおそれのある化学物質とは??

カテゴリ:キッチン, 健康, 掃除, 洗濯

毎日使うシャンプーやボディソープ、ハミガキ、洗濯用洗洗浄剤、食器洗い用洗浄剤・・・。これらの洗浄剤によく使われている“合成界面活性剤”。実は合成界面活性剤の中には、“人や生態系への有害性があり、環境中に広く存在すると認められる物質“として指定されているものもあります。毎日使うものだからこそ、しっかり成分について知り、選びたいですよね。界面活性剤と化学物質に関する制度についてご紹介します。

  • 界面活性剤とは?
  • PRTR制度とは?
  • 排出量の多い物質は?

界面活性剤とは?

「界面活性剤」とは、水と油など本来混ざり合わない物質の間で、水と油の両方になじむ性質をもち、通常は混ざらない水と油の境界面をなじませ、混ぜ合わせる働きがあります。この「界面活性剤」には、「石けん」と「合成界面活性剤(合成洗剤)」の2種類に分けることができます。合成界面活性剤は、シャンプーやボディソープ、洗顔料、ハンドソープ、ハミガキ、洗濯用洗浄剤、食器洗い用洗浄剤などあらゆる洗浄剤に使われています。また、合成界面活性剤は約2,000種類あり、その中にはPRTR制度で“人の健康や生態系に有害なおそれがある化学物質“に指定されているものもあります。

PRTR制度とは?

PRTR制度=化学物質の排出・移動に関する情報を国が1年ごとに集計し、公表する制度

PRTR制度とは「Pollutant Release and Transfer Register」の略で、「人の健康や生態系に有害なおそれがある化学物質が、事業所から環境(大気、水、土壌)へ排出される量及び廃棄物に含まれて事業所外へ移動する量を、事業者が自ら把握し国に届け出をし、国は届出データや推計に基づき、排出量・移動量を集計・公表する制度」です。
対象となる化学物質は、人や生態系への有害性があり、環境中に広く存在すると認められる物質として、計462物質が指定されています。このうち9種類が「合成界面活性剤」で、市販されている洗浄剤や化粧品にも多く含まれています。知らないうちに毎日使っている可能性もあります。カタカナで長い名前が多く、なかなか分かりづらいですが、商品を見極める知識を身につけ、しっかりと選ぶことが自分や家族、環境を守ることにつながります。
ご自宅にある洗浄剤の裏書きの成分表示をぜひ確認してみてください。何気なく使っている洗浄剤に指定されている合成界面活性剤が含まれているかもしれません。
 
指定されている合成界面活性剤
  ※【】内は同じ物質でも法律や管轄等により異なる成分表示名
 

PRTR制度について詳しくはこちら 

排出量の多い物質は?

環境省がまとめた資料によると、全都道府県における指定物質の届出排出量※と届出外排出量※の合計は391千トンで、排出量上位10物質のうち、4位と7位に合成界面活性剤(POE・RとLAS)が入っています。また、家庭からの届出外排出量の合計は46千トンで、全体の67%を合成界面活性剤が占めています。

※排出量は、3種類に分けることができます。

  • 届出排出量:対象化学物質が環境に排出される量(届出が義務付けられているもの)
  • 届出移動量:対象化学物質が廃棄物等に含まれて事業所を移動する量(届出が義務付けられているもの)
  • 届出外排出量:対象事業者から届け出られた第一種指定化学物質の排出量以外の排出量

全都道府県における指定物質の排出量上位
(出典:2017年度の排出量/2019年3月5日公表/環境省ホームページPRTR集計データ)

届出排出量・届出外排出量合計上位10物質とその排出量

家庭からの届出外排出量

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