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本当に”良い”香りですか?香害・化学物質過敏症を知ってください

カテゴリ:健康

香水や洗濯洗剤、シャンプー、制汗剤など、今やテレビコマーシャルで盛んに宣伝されている”いい香り”。みなさんも一度は”いい香り”に魅了されて、商品を購入したことがあると思います。一方で、その”いい香り”が引き起こす社会問題をご存知でしょうか。

80%以上の人が、他人の人工的な香りを不快に感じていた!

シャボン玉石けん株式会社が行ったアンケート調査では、「他人の人工的な香りを不快に感じたことはありますか」という質問に対し、なんと80%以上の人が「ある」と答えています。特に、不快に感じた香りで多くあがったのが「香水」「香り付き柔軟剤や洗剤」「芳香剤(消臭剤)」。どれも周りの人に自身のニオイが気にならないように、良かれと思って身に付けたり、設置したりするものですよね。でも実は、自分にとっては“いい香り”でも、他の人にとっては不快な香りであることが多いということがわかったのです。

※シャボン玉石けん株式会社調べ「香害・化学物質過敏症に関するアンケート」(インターネット調査、調査期間:2019年5月24日~5月27日、サンプル数:520人)

“香害”が社会問題に

みなさんは“香害”という言葉を聞いたことはありますか?香水や香り付き柔軟剤などに含まれる人工的な香りが原因で、不快に思うだけでなく体調不良を引き起こす人が近年増えはじめています。自分の香りは気にならなくても、空気中に漂う他人の香りを受動的に吸収してしまい頭痛やめまいなどを発症する、いわば香り成分による公害であることから「公害」をもじって「香害(こうがい)」と呼ばれています。なぜ、人工的な香りが体調不良を引き起こすのか。その要因のひとつに人工香料に含まれる化学物質が考えられます。

誰でもなりうる“化学物質過敏症”

人工的な香料以外にも、世の中にはたくさんの化学物質であふれています。例えば、食品を腐りにくくする保存料や、家やビルを建てるための接着剤など、周りを見わたすと私たちは毎日何かしらの化学物質と関わっていると言っても過言ではありません。こうした様々な化学物質に微量でも反応して、頭痛やめまい、吐き気、身体の痛み、皮膚の炎症などの健康被害を引き起こす「化学物質過敏症」という病気があります。推定患者数は全国で100万人を超すと言われており、重症になると仕事や家事ができない、学校へ行けない…など通常の生活さえ営めなくなる深刻な病気です。今までは大丈夫だったけど、ある日突然発症した、という声も少なくありません。

≪香害・化学物質過敏症を経験した人の事例≫

出典元(ダイヤモンド・オンライン 2018年3月22日 岡田幹治:ジャーナリスト)

▽小学2年生 ゆうくん(仮名)の場合
大阪府の市立小学校。真冬のグラウンドの片隅で、個別指導を受けるゆうくんの姿があった。
ゆう君は小学校入学前に化学物質過敏症の診断を受け、小2のときにシックハウス症候群(※)の診断を受けた。小学校に入学後、洗剤や柔軟剤などのにおいに悩まされながら学んでいたが、授業で使った紙粘土(樹脂粘土)や校内の塗装に反応して体調を崩す日が続き、現在の態勢を取らざるを得なくなった。「早く教室に戻りたい」、ゆうくんの願いが叶う日は来るのだろうか。
※建物内の空気汚染が原因で化学物質過敏症と似た症状になる病気。その建物を離れると症状は和らぐ。

▽40歳代 臨時教員 ヒカルさん(仮名)の場合
埼玉県に住む40歳代の学校臨時教員ヒカルさんは、3年前に住んだマンションが原因でシックハウス症候群と思われる体調不良となった。転居すると症状は改善したが、異動した学校で強い柔軟剤臭のする生徒たちに接すると症状が現れ、指導が難しくなった。生徒と接触しない仕事に変わったが、同僚の教員の柔軟剤や整髪剤にも反応するようになり、退職。現在も臨時教員を勤めて欲しいという申し出は絶えないが、香害のある職場では働けないと断り続けている。

毎日の生活を少しずつ変えてみませんか

化学物質過敏症を予防する5つの習慣

出典元:ドキュメンタリー映画「カナリアからのメッセージ~化学物質過敏症のない未来へ~」

①化学物質を減らす
暮らしの中から少しでも多くの化学物質を減らしてみてください。

②良い空気で暮らす
いつもきれいな空気を心がけてみてください。

③オーガニック食品を増やす!
保存料・着色料・化学調味料が入った食事を減らし、手作りの和食メニューを増やしましょう。

④ビタミン・ミネラルでデトックス!
無農薬の食べ物には多くのビタミン・ミネラルが含まれ、体内の毒素をデトックスしてくれます。

⑤毎日、少しの運動!
毎日少しの運動で汗をかいて、体調を整えてください。

まだまだ認知が浅い「香害」や「化学物質過敏症」。化学物質への感受性は個人差が大きいため、同じ環境にいても発症する人としない人がいます。現代社会では、香害や化学物質過敏症についての理解が未だ浸透しておらず、アンケート調査でも全体の80%以上の人が、化学物質過敏症についてよく知らない、もしくは聞いたことはあるが詳しくは知らないと答えています。“症状”と聞くと「悪い・マイナス」なイメージを持たれがちですが、化学物質に対する「感受性が高い」という捉え方こそ、自然なことではないでしょうか。香害や化学物質過敏症といった社会問題に向き合うためには、周囲の理解と温かい配慮が大切です。自分自身、そして香害や化学物質過敏症に悩む人々のためにも、毎日の食べ物や洗浄剤など身の回りのものから少しずつ生活を変えてみてはいかがでしょうか。

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