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【専門家コラム】物の持ち方は生き方そのもの。家族が楽しく暮らすための片付け

カテゴリ:家族・子育て

 

 生活しているといつの間にか家の中に物が溜まって、片付けに悩む方も多いと思います。家族が楽しく暮らすための片付けについて考えてみたいと思います。
 私は「整理収納アドバイザー1級」を持っていますが、手作りの棚も作らないし、突っ張り棒も使いこなせません。「収納」したくて受講したのではなく、物との付き合い方、「整理」を体系的に学ぶために受講したのです。きっかけは母の突然死。元気だったのに、食中毒の疑いで緊急入院し、そのまま10日後に亡くなってしまいました。パニックの中で生活感あふれる遺品と向き合った経験があったからです。「なぜ同じものがたくさんあるの? ストックにしては多すぎるし、どこかに配る予定だったの?・・・」。また、どなたかとおかず交換をしたらしく、見覚えのない返却予定の密閉容器などなど、一つひとつが「これ何?」の連続。その反面、通帳などを探し出すのに苦労しました。

※写真はイメージです

 

※写真はイメージです

 物の持ち方は、生き方そのもの。家や部屋を見れば、住む方がどんな価値観で暮らしているかが分かります。「お片付けのプロに来てもらいすっきり!」のビフォーアフターが実現しても、物を溜めこむ暮らしを続けたらまた元に戻ってしまいます。ダイエットとよく似ていますね。1ヵ月でお腹が割れたとしても・・・太る生活習慣そのものを改善しないとまた同じことを繰り返すように。
 

 片付けには、3つのメリットがあります。探し物の時間が減る「時間的効果」。家にまだあるものを買ってしまう、無駄遣いが減る「経済的効果」。すっきりと軽やかに暮らせる「精神的効果」です。物を捨てる前に、物を増やす習慣がないか考えてみましょう。無料だからといってもらう? 安いからといって買ってしまう? ここを吟味すると、本当に欲しいものや人生で手に入れたいものまで浮き彫りになってきます。


 家の片付けは、家族全員が元気な時にするもの。このモノにはどんな想い出があるのか。どなたに頂いたのか、一つひとつ家族で共有しながら分別したいものです。家族のものを勝手に処分して後でケンカになったり、「それ捨てなよ」「いや、捨てない!」などで揉めてしまうのは残念なこと。家族が楽しく暮らすための片付けですもの。
 プレゼントをお送りするときも「食べてみて!」というお勧めの食品か、消耗品を選ぶようにするのも一考です。お相手がモノの処分に苦しまないように。

※写真はイメージです

文・おき さちこ さん

おき さちこ さん
大学で天然物化学を専攻し、製薬メーカー、調剤薬局に薬剤師として勤務。安全で気持ちの良い生活法を提案する「ナチュラル家事」の講師として各地で活躍中。薬剤師、公益社団法人アロマ環境協会認定アロマテラピー検定1級、ハウスキーピング協会認定整理収納アドバイザー

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